健康イベントの開催で
地域医療に貢献
現在トーカイ薬局にて薬剤師として活躍をしている方々へインタビュー。なぜ調剤薬局の薬剤師という道を選んだのか、なにを「やりがい」に感じているのか。現在の取り組みや将来の展望などを語ってもらっています。
引用元:トーカイ薬局https://www.tokai-pharmacy.com/
2024年現在、愛知県と岐阜県に根差して24店舗の薬局を展開しているトーカイ薬局。「人の心の、いちばん近くに」を掲げ、地域の健康を守るための取り組みを続けています。
特に特徴的なのが、地域の健康ステーションとしての取り組み。トーカイ薬局の窓口にて、薬剤師・栄養士による健康相談を実施することで、ただ「薬を貰いに来る」だけの薬局とは異なる地域貢献を果たしています。

- 出身大学
- 金城学院大学
- 趣味
- ライブに行くこと
稲垣さんは2017年にトーカイ薬局に新卒として入社され、現在は多治見店にて薬局長としてご活躍されています。地域密着型の調剤薬局としての役割を果たしながら、患者様と向き合う日々を送っています。また、イベント企画や地域活動にも積極的に参加し、幅広い健康サポートを提供しています。
地域とつながり、患者様を支える薬剤師を目指す
単純に「手に職をつけたい」という安定性から選んだ薬剤師の道
――インタビュアー:稲垣さんが薬剤師を目指したきっかけを教えてください
――稲垣さん:実は、薬剤師を目指したのは周りの影響が大きかったんです。特にいとこが薬剤師で、薬学部に進学する姿を見て、自分も自然とその道を考えるようになりました。
その頃は具体的な目標があったわけではなく、『手に職をつけられる』という安定性や資格としての強みが魅力的に映ったのが正直なところです。
でも、薬剤師という職業について調べたり話を聞いたりするうちに、患者様の健康をサポートする責任感や、生活に寄り添う仕事の奥深さに少しずつ興味を持つようになりました。
――インタビュアー:学生時代はどのようなことに力をいれて学びましたか?
――稲垣さん:薬学部では実験や調剤の実習を通じて薬に対する知識を深めていく中で、薬剤師として働く具体的なイメージが徐々に見えてきました。特にいとこの話から、「薬剤師は医療の一環として重要な役割を果たしつつ、患者様一人ひとりと向き合える仕事だ」ということを知り、次第にそのやりがいを感じられるようになりました。これが、私にとって薬剤師を目指す大きな原動力となったと思います。
チーム一丸となって患者様に最適なサービスの提供を目指す
――インタビュアー:どのような将来像を描いて就職活動をされましたか?
――稲垣さん:将来像は地域の患者様と直接関わる仕事をしたいという気持ちが強かったです。幼い頃から、自分の地元にある薬局が家族や地域の人々にとってとても身近で頼れる存在だと感じていました。その記憶が、自分も地域の健康を支える立場になりたいという思いにつながっています。
患者様の日常に寄り添いながら、健康や薬に関する不安を解消し、安心して相談できる存在になりたかったです。そのため、病院のように一度きりの関係ではなく、薬局では継続的に患者様と向き合えると感じました。薬の提供だけでなく、生活習慣や予防についてもアドバイスを行い、患者様の生活の質を高めることに貢献したいと思い、就職活動をしました。
薬剤師が患者様へ向き合える環境を求めて
――インタビュアー:トーカイ薬局さんへ就職をするまでの経緯を教えてください
――稲垣さん:学生時代の実務実習でトーカイ薬局を訪れたのがきっかけです。まず、薬局内の雰囲気がとても温かくて、スタッフ間の連携がしっかり取れていました。薬剤師と事務スタッフの間に垣根がなく、患者様にとって最適なサービスを提供するために、チームとして一丸となっている様子が印象的で。地域密着型の運営姿勢も魅力的で、患者様一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢を目の当たりにして、自分もこうした環境で働きたいと思うようになりました。
実習中には監査システムや最新の設備に触れる機会があり、調剤の正確性を重視した働き方が徹底されている点にも感銘を受けました。このような環境なら、安心して自分のスキルを磨きながら働けると感じたことも、トーカイ薬局を志望する大きなきっかけとなりました。他にも様々な薬局を見学しましたが、勤めるならトーカイ薬局だなときました。
患者様に寄り添う薬局長の多彩なお仕事
スタッフの連携を重視し、患者様へ向き合える時間を確保する
――インタビュアー:稲垣さんの現在の主なお仕事内容を教えてください
――稲垣さん:現在、薬局長として店舗運営全体を管理しています。主な業務は調剤や投薬ですが、それだけでなく在庫管理やスタッフの指導にも携わっています。特にスタッフ間の連携を重視し、事務スタッフやアシスタントとの役割分担を明確にすることで、薬剤師が患者様と向き合う時間を確保できるよう努めています。
――インタビュアー:薬剤師のお仕事へのこだわりはなんですか?
――稲垣さん:患者様への対応では、薬の提供だけでなく、生活習慣や予防についてのアドバイスも行っています。薬局を単なる薬の受け渡しの場にとどまらず、患者様の健康全般をサポートする場にしたいという思いで取り組んでいます。
他にも健康イベントの企画運営にも注力しており、地域住民との交流を通じて薬局の役割を広げる活動を積極的に行っています。これにより、薬局の外でも薬剤師としての価値を発揮し、地域貢献を実感しています。
地域住民の健康を包括的にサポートする取り組み
――インタビュアー:稲垣さんが関わっている健康イベントについて詳しく教えてください
――稲垣さん:関わっている中で特に大きなイベントは「すこやか広場」です。これは地域の他企業とも協力し、健康をテーマにしたイベントを開催するもので、血圧測定や体組成計の活用、健康講演会など、多彩なプログラムが用意されています。私自身も講演者として、生活習慣改善や予防医療についてお話することがあります。
また、子ども向けの「薬剤師体験イベント」も定期的に開催しています。これは、分包機を使った薬の袋詰め作業を実際に体験してもらう内容で、子供たちが薬局や薬剤師の仕事に興味を持つきっかけになっています。他にも、地元のお祭りやマラソンイベントなどに出張し、健康チェックやアドバイスを行うことで地域に密着した活動を展開しています。
以前は料理教室やウォーキングイベントも行っており、地域住民の健康を包括的にサポートする取り組みとして好評を得ていました。これらの活動を通じて、薬局の枠を超えた薬剤師としての新たな役割を実感しています。
患者様が元気に日常生活を送れるよう支援できる「やりがい」
――インタビュアー:稲垣さんの薬剤師としての「やりがい」はなんですか?
――稲垣さん:患者様の日常生活をサポートできることが私の1番のやりがいです。調剤業務を通じて正確な薬を提供するだけでなく、患者様からの健康相談に答えたり、生活習慣の改善に関するアドバイスを行ったりすることで、患者様が元気に日常生活を送れるよう支援できればと常に考えています。
健康イベントを通じて地域の方々に広く関わることも、そのやりがいに繋がっています。子ども向けの薬剤師体験で楽しそうに分包機を使って薬を仕分けたり、興味を持って薬剤師の仕事について質問してくれたりする姿を見ると、この仕事の価値を実感します。
イベント終了後に地域住民の方々から「楽しかった」「役に立った」と感謝の言葉をいただけることは、大きな励みになっていますね。
薬局という枠を超えて、地域にとって欠かせない存在へ
地域全体の健康を支える役割をさらに広げていく
――インタビュアー:いま力を入れて取り組んでいることや、チャレンジしてみたいことはありますか?
――稲垣さん:地域全体の健康を支える役割をさらに広げていくことが、私にとって今後の大きな目標です。やはり今後も健康イベントの運営や地域貢献活動に力を入れていきたいです。
まずはコロナの影響でで中断していた料理教室やウォーキングイベントなどの再開。さらに健康的な食生活の提案や運動の重要性を地域住民の方が楽しみながら積極的に参加できる、そして調剤薬局を身近に感じてもらえる新しいプログラムを考え、挑戦していきたいです。
現場での学びややりがいを伝えていきたい
――インタビュアー:稲垣さんご自身の薬剤師としての将来像をお聞かせください
――稲垣さん:将来的には、実習生を受け入れる指導薬剤師として、後進の育成に携わりたいと考えています。
自分自身が学生時代に実習を通じて薬剤師という職業の魅力を知ったように、これから薬剤師を目指す学生に対して、現場での学びややりがいを伝えていきたいと思っています。そのためには、自分のスキルや経験をさらに磨き、学生が憧れるような薬剤師でありたいと考えています。
――インタビュアー:プライベートでの夢などはありますか?
――稲垣さん:プライベートでは、家族や友人との時間を大切にしながら、仕事とのバランスを保ち続けたいと思っています。仕事と家庭の両立は簡単ではありませんが、充実した日々を送るために欠かせない要素だと考えています。
最終的には、薬局という枠を超えて、地域にとって欠かせない存在となり、誰もが気軽に健康相談に訪れられるような場所を作りたいと考えています。それが、私が目指している理想の姿です。
――インタビュアー:最後に、就活中の薬学部学生の方へのメッセージをお願いします
「健康ステーション」を展開する
トーカイ薬局の取り組み
引用元:トーカイ薬局公式HPhttps://www.tokai-pharmacy.com/
2024年現在、愛知県と岐阜県に根差して24店舗の薬局を展開しているトーカイ薬局。「人の心の、いちばん近くに」を掲げ、地域の健康を守るための取り組みを続けています。
特に特徴的なのが、地域の健康ステーションとしての取り組み。トーカイ薬局の窓口にて、薬剤師・栄養士による健康相談を実施することで、ただ「薬を貰いに来る」だけの薬局とは異なる地域貢献を果たしています。また、地域の健康を守るためのイベントなども豊富に企画。中には新卒1年目の薬剤師が企画したものもあるとのことです。


稲垣さん
就職活動中は、自分の軸をしっかり持つことが大切です。私自身も就職活動をする際に、地元で働きたいという希望や、患者様に寄り添う仕事がしたいという想いを明確にすることで、進むべき方向が見えてきました。そのため、まずは自分が「何を大切にしたいか」を考えてみてください。例えば、働く環境、仕事の内容、資格の活かし方、地域への貢献など、自分にとって譲れないポイントをリストアップしてみるといいと思います。それが明確になると、職場選びの基準が見えてきます。
また、実際に職場を見学したり、社員の方の話を聞いたりすることも大切です。現場の雰囲気や価値観が自分に合うかどうかを感じ取ることができます。就職活動は悩むことも多いですが、未来の自分が楽しく働いている姿を想像しながら前向きに取り組んでください。焦らず、しっかりと自分に合った職場を見つけてほしいと思います。頑張ってください!